世界のしっくい

しっくいの歴史は
世界からはじまりました。
あの世界遺産も、あの街並みも。
美しき、しっくいワールドを
ご覧あれ。

SIKKUI in the WORLD

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しっくいって日本独自の伝統的なものって
思っていた方もいらっしゃるのでは?
しっくいは、遥か昔から世界中至る所で
活用されている建材です。
しっくいのはじまりはいつ頃、
どこでどのように始まったのか?
世界遺産の建物も、あの美しい街並みも、
実はしっくいで仕上げられていた。

しっくいはどのように
誕生したのか?

しっくいの
はじまりは、

5千年前の
エジプト。

人類が初めて石灰を使ったのが
今からおよそ5000年前といわれています。
ピラミッド建造において石を積み上げる際、
石と石を接着させるために、
石灰に骨材を混ぜた石灰モルタル
使用したのが始まり。

その後、石積みの技術も
世界各地に伝わっていきます。

エジプト

ローマ

ギリシャ

ヨーロッパでは
ギリシャやローマの巨大建造物にも
石灰モルタルが使われるようになりました。

古代ギリシャ時代

パルテノン神殿紀元前447年着工

The Parthenona temple in Athens

石と石を接着させる役割

古代ローマ時代

コロッセオイタリア◎西暦70年着工

The Colosseuma symbol of Rome

歴史が証明している、
しっくいの耐久性。

古代ローマ時代の
独特な石灰の使用方法は
ローマンコンクリートと呼ばれ
地震の多いイタリアで
2000年を経た現在でも
その強度を保っています。

古代ローマ人は
石灰と火山灰を混ぜ、
それを海水で練ることで
何千年経っても
丈夫なローマンコン
クリートを作り出した。

現代のコンクリートの
寿命は
およそ100年と
言われてます。
ローマンコンクリートが
いかに丈夫な
ものなのかは
歴史が
証明しています。
古代、石灰はこんな
使われ方もしていました。

海外のしっくいの特徴

強度を保つため、
石積み、レンガ積みなど、
土台となる礎石(そせき)構造の上に
分厚く塗って壁を作ることが多く、
厚塗りできる石灰モルタルが
使われていました。

また、厚く塗った石灰モルタルの上に
クリーム状の石灰を塗って仕上げることもありました。
西洋では石積み、レンガ積みの建物だったため、
大きな窓を作ることが難しく、
小さな窓からの光で室内を明るく見せるため
に白い石灰クリームを塗ったと言われています。

世界のしっくい技法

擬石仕上げ

フレスコ画

Fresco

西洋のしっくいの使われ方として
忘れてはならないのがフレスコ画です。
しっくいを塗り、
生乾きのうちに顔料をのせる技法。
炭酸カルシウムの成分が顔料を包み、
数百年ものあいだ退色せずにいます。

しっくい装飾

手作業による細工や型を使用して模様を付ける。
型を使うことで複雑な模様も繰り返し同じ形を
作ることが出来ます。

アルハンブラ宮殿

9世紀ごろに建てられたこの建物は
アラベスクの模様や
ムカルナスと呼ばれる装飾が特徴。
この細かい模様は漆喰を木型に入れて
作られたと言われている。

Tadelakt

タデラクト

in Morocco

モロッコで使われている技法で、
石灰を塗りつけて、
締まってきてからオリーブ石鹸などをかけ、石で擦り込むように磨いていきます。
そうすることでシャワー室の壁でも使用できるような撥水性を持たせることができます。

水硬性石灰

水硬性石灰とは水と混合することで
短期に硬化し、
さらに空気中での二酸化炭素との反応により、
完全に硬化する性質のある石灰です。
天然の水硬性石灰は粘土質の石灰石を
焼成して得られる石灰であり、
英語ではNatural Hydraulic Limeと言い
略称でNHLとも呼ばれています。

コロッセオやパンテオンなど
古代ローマのローマンコンクリートは
水硬性石灰の効果によって高い耐久性が
保たれている
と言われています。

しっくいでつくられた
建物や街並み

サントリーニ島

in
ギリシャ

白い漆喰の壁に青い丸屋根が特徴。
ペストなどが流行した時代に
石灰の殺菌効果を求めて
白く塗ったのがはじまりと言われています。

アルベロベッロ

in
イタリア

石灰岩を積み上げ、
しっくいを塗って仕上げています。
トゥルッリと呼ばれる円錐形の建物が特徴です。

アンダルシア地方ミハス

in
スペイン

白い宝石と呼ばれるミハスの町並み。
一定の期間で白く塗り替えられています。

サナア

in
イエメン

中東イエメンの南西部にある首都サナア。
石やレンガを積んだ建物のつなぎ目や窓まわりに
しっくいを塗り、強度を上げています。

ロンシャン礼拝堂

フランスのフランシュ・コンテ地方にある
ル・コルビュジエ設計の礼拝堂。
鉄筋コンクリートの構造体の上に
白い石灰モルタルで仕上げた
重厚感のある壁が特徴的です。1955年竣工。

次は「日本のしっくい」
についてご紹介します